◇◆センセイは俺の!◆◇



「でも良かった。マキさん元気そうで。」



ひとしきり笑った後、俺がそう電話越しにマキさんに言うと…



「うん…なんかやっと解放されたって感じかな。親とも揉めたけど、今はいい方向に向かってる。」


「そっか…。」



安堵した様子のマキさん。
親の決めた結婚相手がどうしても好きになれなくて…苦しんでた。


それでやっとその束縛から解放されて、まじで良かった。



「それでね、大輝くんにはちゃんと自分の口から報告しようと思って。」


「え?何を?」



俺が聞き返すと、マキさんが電話の向こうで小さく咳払いするのが聞こえた。



「私、結婚することになったの。」



マキさんは明るくそう言った。



「はっ…け、結婚!?」


「うん♪」



うん♪って…そんな軽い感じに…。


ついこの前、婚約破棄したんだったよな。



「ビックリするよね~♪」


「するよね~♪…じゃなくて!」


「ふふふ…」



あまりに突然のことで思考が混乱してる俺に対して嬉しそうに笑うマキさん。



それからマキさんは結婚までの経緯を大まかに話してくれた。



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