◇◆センセイは俺の!◆◇



「それでは皆さん!SUDOグループの社長である須藤誠さまのご挨拶です!盛大な拍手でお迎え下さい!」



ちょうど瞳のところに戻ろうとイスから立ち上がった時だった。


司会進行の調子のいい声が会場内に響いた。


ざわざわしてた会場内が一気に静かになった。



正面に目をやると、スポットライトに照らされながら、いつもより高級そうなスーツに身を包め須藤が颯爽と現れた。



いよいよか…。



「皆さま、今日は私ごとでお越し頂きありがとうございます。お待たせしておりました、私の妻をご紹介したいと思います。」


そう言って丁寧にお辞儀を済ませた須藤の差し出した左手…



今日もみーちゃん綺麗だろうな…。


ちゃんと真っ正面から「おめでとう」って言ってやんねーとな。


きっとみーちゃんのことだ、泣くかもな。


そう心に誓い、みーちゃんの登場を待った。



ゆっくりと須藤の元へ歩いて向かう女性…


でも、俺は自分の目を疑った。



綺麗な白のドレスを身にまとい、アップにした長い巻き髪…



はっ?



「こちら、私の妻のマキです。」



にこやかな笑みで、どこか嬉しそうにそう紹介する須藤。


口を開けたまま呆然とする俺とは反対に、須藤の隣りで幸せそうに微笑むマキさんがいた。




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