◇◆センセイは俺の!◆◇
「よぉ。」
「孝兄っ!?」
ドアを開けると、
そこには片手を上げる孝兄がいた。
何で孝兄が?
「孝兄なんでいんの?」
「須藤さんの結婚パーティーに呼ばれたんだよ。」
はぁ…なるぺそ。
んにゃ?てか、
なんで俺がここにいるって知ってんの?
「孝兄何で俺がここに…」
「須藤さんに頼みごとされたんだよ。」
「須藤に?」
「だから、ここに来たってわけ。」
「何、頼みごとって。」
「おう、お前に届けもん。」
そう言って、100%スマイルで孝兄は少し立っていた位置をずれた。
え?
は?
「た、孝兄…?と、届けもんって…?」
口をパクパクさせて、必死で孝兄に聞き直す。
そんなパニック状態の俺にドSな孝兄は、ブラックな笑みを浮かべて…
「こちらですが?何かご不満でも?」
「いえ…何もありません。。」
引きつった笑顔でそう返した俺に満足した孝兄は、“届けもん”を俺の前に優しく押すと…
「じゃあ、俺はこれで。」
「ちょっ…孝兄…」
「あ、大輝。
おばさんには俺から言っといてやるから。大輝は今夜帰りませんって。」
「え、ちょっと…」
孝兄はひらひらと手を振りながら、エレベーターへと消えていった。