◇◆センセイは俺の!◆◇
初めて入った理事長は、
革張りのソファーに、大きなディスク。
シンプルな応接室みたいな感じ。
見ると、そのソファーには先に呼ばれたのか…みーちゃんが神妙な面もちで座っていた。
俺が入ってきたのを、チラッと顔を上げ振り返って確認すると…口元を軽く緩めた。
確実に人工毛であろうフサフサ頭の教頭はそわそわとしながら、俺をみーちゃんと間を開けて座らせた。
理事長はまだ来てないようだった。
「君達、事実がどうであれ…処分は理事長がお決めになられる。」
教頭は人工毛の前髪を手ぐしで整えながらズバッと言い放った。
すると、黙っていたみーちゃんが…
「教頭!あれは間違いです!相手は角クンでもなければ、生徒でもありません!」
ソファーから立ち上がる勢いで教頭に向かってそう反論した。
教頭が黙りなさいと怒鳴ると、みーちゃんは渋々、ソファーに座り直した。
ごめんな…みーちゃん。
こんな思いさせて。
俺がそう心んなかで謝りながら、みーちゃんの横顔を見つめた時だった。
―――――――ガチャッ…
理事長室のドアが開いた。
「待たせたね、わしが柳高理事長だ。」