◇◆センセイは俺の!◆◇
――――――――ガラッ
「みーちゃんっ…」
「す、角クン?」
すごい勢いで保健室のドアを開けたもんだから、みーちゃんはひどく驚いた顔で振り返った。
走ってきたから息が上がっていた。
静かに戸を閉めると、とりあえずひと息ついて、みーちゃんの元へ歩み寄った。
ついでに窓際のカーテンを締め切って、
そのまま座って俺を見上げていたみーちゃんを引き寄せ、抱きしめた。
ふんわりと香る桜の匂い。
はぁ…落ち着く。
「角クンっ…今はあんまりこういう…」
「分かってる。今だけ…もうちょっと。」
「う、うん…」
分かってる。
あんな事があった直後にこんな事してて、もし見られたらもうどうしようもない。
でも、今だけ。
ちょっとだけ。
ずっとこうしたかった。
嫌な思いをさせちゃったみーちゃんを、
ぎゅっとして包み込んでやりたかった。
ごめんな…って。
大丈夫だから…って。
俺はしばらく、
みーちゃんを抱き締めたままでいた。