◇◆センセイは俺の!◆◇
完全に注目の的となっているイケメン軍団は、それぞれの自分の女とイチャこいていた。
のけもんの俺は、テルさんからのお祝いのチューを丁重にお断りし…
「さて、俺も一発かましてくっかな。」
卒業証書の入った筒で肩を叩きながら、俺はぽつりと呟いた。
それをしっかりと聞き取った孝兄や微笑み、ほかのみんなは俺をみて頷いた。
「いってらっしゃい、大チャン!」
「おう。」
瞳に背中を押され、
校舎の方へ向き直した。
いるかな…。
未だに別れを惜しみつつ、盛り上がる生徒達を見渡しながら、目的の人物を探す。
「あ…いた。」
見つけたその人は、正面玄関の一番端っこで、すでにいつもの白衣姿で立って周りを微笑ましそうに見守っていた。
俺はその人の方へ向かって歩き出した。
スッとその人だけを見つめ…
「みっ…―――――」
「美波センセイ!」
愛しいその人の名を呼ぼうとした俺の声を遮って、ひとりの男子が先にその人に声をかけた。
むむ…なんだアイツ。
あ、みーちゃん笑いかけてるし!
何話してんだよ!
なんてきっとムスッとした顔で見つめていると、みーちゃんと目が合った。
ちょっと気まずそうに俺とその男子をちらちらと交互に見るみーちゃん。
分かってるっつの。
今日みたいな日に何話してるくらい。
その男子がみーちゃんに何を伝えにきたのかくらいさ。