◇◆センセイは俺の!◆◇
しばらく俺は少し離れた位置から、2人の様子を見ない振りをしながら見ていた。
今日だけ。
今日だけ特別だかんな、そこの男子!
みーちゃんと2人で話さしてやる!
「あ~…もう無理。」
俺は深く深呼吸した。
そして、少し離れたその場所から
みーちゃんに聞こえるくらいの
いや、校庭中に聞こえるくらいの声で…
「美波っ!――――――――――――」
はっきりと呼んだ。
愛しい人の名を。
そして、振り返り俺を大きな瞳で見つめている人の元へ歩み寄る。
今この校庭にいる人全ての視線が俺に向けられているだろう。
現に俺とみーちゃんの名前あの噂をしている生徒の声がいくつか聞こえる。
「角クン…。」
目の前に立った俺を見上げたみーちゃんはホッとしたような声で俺を呼んだ。
みーちゃんに告っていただろう男子はおどおどしながら、俺達の様子を見ていた。