◇◆センセイは俺の!◆◇
――――――
「瞳・・・ただいま。」
「孝幸っ・・……(泣)」
少し離れた木の陰から、強く抱き締め合う2人を見守る。
気づくと、悔しいくらいボロボロと涙が流れていた。
―――ついにこの時がきたんだ。
2人の幸せ…俺にとっても幸せが今日、今、やっと帰ってきたんだ。
そう…瞳が3年もの間…想い、待ち続けてきた愛しい恋人…孝幸がロンドンから帰ってきたんだ。
この3年…ほらの男になんか見向きもせずに…ただ孝幸だけを想い続けてきた瞳の切ない日々は、終わりを告げたんだ。
孝幸に抱き締めながら、泣いている瞳。
ばか…。もう泣くのは終わりだっての。
笑えよ…今からは、これからはずっと笑ってないと駄目だからな!
孝幸・・・・おかえり!
孝幸がいない間代わりに、頼りないけど俺が瞳を守ってきたんだからな。
もう孝幸に返すからな、この役目。