◇◆センセイは俺の!◆◇
長い綺麗な髪をかきあげたみーちゃんの手を見て、俺のさっきまでのほのぼの気分は一気に崩れた。
だって・・・・
「みーちゃん…これ…」
俺はとっさにみーちゃんの細い手首を掴んでいた。
そして、左手の薬指に光る…シルバーリングを見てみーちゃんに聞いた。
「これ…婚約指輪だよなぁ…?あん時つけてた…。」
「うん…。」
そう…婚約破棄されたみーちゃんが、俺の前で泣いた、次の日から、外されていた婚約指輪。
それがついてるって事は・・・
「婚約…やめたんじゃなかったの?」
「…彼がね、やっぱりやり直そうって…言ってくれたの。。」
「でも…その男、浮気してみーちゃんを捨てたんだろ?」
俺がそう言った瞬間、みーちゃんは嬉しそうな、複雑な笑みを浮かべた。
「やっぱり、私じゃなきゃ…駄目だって、言ってくれたの。」
そう言ったみーちゃんは…学校の保健室の先生のそれじゃなく…
ただの、1人の女の表情をしてた。
そんな顔をみた俺は、ギュッと胸が締め付けられた。