◇◆センセイは俺の!◆◇
そんな顔すんなよ…。
俺…そんなみーちゃんの顔見たくねぇ。
「もしかして、この前の男?…」
「え…?」
「あの本屋で会った時の…」
「あ…。うん。そうよ。」
「そっか。」
俺はそう頷いて、立ち上がった。
そして、そのまま保健室を出た。
急に立ち上がって出ていった俺に驚いて、
「角クン?」
みーちゃんが呼び止めたけど、聞こえなかったフリをしてそのまま、振り返りもしなかった。
保健室を出た俺は、また、暑い教室へと戻った。
席について、机の上に突っ伏した。
あれ以上、みーちゃんと居られなかった。
俺の胸がはちきれそうだったから。
夏の暑い教室には、
誰かが下敷きで扇ぐパタパタという音と
日本史の先生のやる気のない声だけが、
やけに響いていた。