◇◆センセイは俺の!◆◇
「大チャン、スラムダンクの7巻とって」
「あいよ。」
本棚に並ぶ漫画のなかから、スラムダンクの7巻をとり、瞳に渡す。
ミッチー、ロン毛も好き~♪なんて言って、漫画を読んでる瞳。
一体何しに来たんだ?
ただ単に、漫画読みに?
「大チャン、何かあった?」
「え?」
瞳は漫画に目を向けたまま、俺に聞いてきた。
「今日、保健室から帰ってきて…大チャンなんか変だったから。ま、いつも変だけどね…。」
瞳のやつ、気づいてたのか…。
だてに、10年以上幼なじみしてねぇな。
俺は、さりげない瞳の優しいところに…ちょっと元気がでた。
「俺…失恋したかも。へへっ。。」
笑って見せたけど、ほんとはめちゃくちゃ…ショック受けてた。
やっと好きだって…やっとみーちゃんが好きなんだって…気づいたのに。。
無理して笑った俺を、瞳は癒されるような優しい表情で見つめていた。
ちょっとだけ、みーちゃんの雰囲気に似ていた。