◇◆センセイは俺の!◆◇
「大チャン、気持ちも伝えずに失恋なんて言っちゃダメだよ。大チャンなんにもしてないじゃん。」
…確かにな。
俺、みーちゃんに好きとも何とも言ってないし、好きだってアピールもしてね…
でもさ…いつだって、みーちゃんと俺の間には、あの婚約者の最低野郎がいたんだよ。
みーちゃんは吹っ切れたって言って、笑ってるけど…俺には気づいてた。
みーちゃんが時々、悲しそうに左手の薬指を…見つめてんの。
かつて、愛を誓ったリングがはまっていた薬指を…。
「もうちょっと、考えてみたら?」
「…」
「大チャンの気持ちが、どれくらいのものなのか…。それに気づいたら、大チャンは前に進めると思うよ。」
何でいつもこうなんかな…。。
瞳の言ってることって、本当のことなんだよな…。
「…ふん。ばぁーか、瞳のくせして偉そうに。」
だけど、素直じゃない俺はいつもこうやってひねくれてしまう。
「…照れちゃって。よいしょ、じゃ私帰るね?お休み~♪」
照れ隠ししてんのが分かってる瞳。
だけど、そんな瞳だから…俺は異性として好きにならない。
ずっと幼なじみでいたいと思う。
「おやすみ。あ、冷蔵庫のレアチーズケーキ…やる。賞味期限切れてるから。」
「…ありがと♪」
賞味期限じゃないよな、ケーキって。
ま、消費期限も明日までだけど。