◇◆センセイは俺の!◆◇



何だよそんな…場違いだガキッ!みたいな目で見るなよ!



「確か、君…美波の学校の生徒さんだったね。どうも。」



余裕しゃくしゃくな笑みを浮かべて、俺の前に手を差し出してきた須藤。



左利きなのか、差し出された左手。


・・・そしてその薬指に光る指輪…。


みーちゃんと同じ…婚約指輪。。


どうしても俺は、差し出されたその左手を握り返すことはできなかった。



フンッとそっぽを向いた俺。


まるでふてたガキだ…。カッコ悪ぃ…。


そんな俺を見て、フッと鼻で笑った須藤。



くそ…ムカつく。。



「すみません、こいつ人見知りで。」



俺の頭に手を置いて、そう言った孝幸。

ふんだ…


俺はどんな環境でも適応していく、超がつくほどの社交的人間だってこと知ってるくせに…。



「はは、そうですか。あぁ…ちょっと待っていてくれないかな。」



須藤はそう言って、周りを見渡し…



「美波。」



小さく手招きをしながら、そう呼んだ。


そして、須藤の後ろから姿を現した…


…俺の好きな女。



< 88 / 413 >

この作品をシェア

pagetop