◇◆センセイは俺の!◆◇
何だよそんな…場違いだガキッ!みたいな目で見るなよ!
「確か、君…美波の学校の生徒さんだったね。どうも。」
余裕しゃくしゃくな笑みを浮かべて、俺の前に手を差し出してきた須藤。
左利きなのか、差し出された左手。
・・・そしてその薬指に光る指輪…。
みーちゃんと同じ…婚約指輪。。
どうしても俺は、差し出されたその左手を握り返すことはできなかった。
フンッとそっぽを向いた俺。
まるでふてたガキだ…。カッコ悪ぃ…。
そんな俺を見て、フッと鼻で笑った須藤。
くそ…ムカつく。。
「すみません、こいつ人見知りで。」
俺の頭に手を置いて、そう言った孝幸。
ふんだ…
俺はどんな環境でも適応していく、超がつくほどの社交的人間だってこと知ってるくせに…。
「はは、そうですか。あぁ…ちょっと待っていてくれないかな。」
須藤はそう言って、周りを見渡し…
「美波。」
小さく手招きをしながら、そう呼んだ。
そして、須藤の後ろから姿を現した…
…俺の好きな女。