恋文〜先生へ綴る想い
■第3章
[現在1]その後の私
「おー、実結!やっと来たかー!」
春休みだというのに、わざわざ生徒会室に来ていたかめちゃんが言った。
「あんまり遅いんで、俺、待ちくたびれちゃったよ」
かめちゃんは本名を亀田元気(カメダゲンキ)くんといって、この春高校2年生になる、一応生徒会執行部の生徒だ。
みんなに“かめちゃん”と言われているので、私もなんとなくそう呼んでいるけど、
この“かめ”というあだなから、ドジでのろまなイメージのカメを想像してしまうのは、
自分も昔“カス”というニックネームで呼ばれていたせいだろうか。
「てかさぁ、あんなメール1通で呼び出すなんて一体何の用…?執行部の仕事なんか新学期まで特にすることないでしょ…?」
春休みなんか1番忙しい時期なんだから、用があるなら早く済ませてよね…。
そんな言葉を飲み込みつつたずねると、かめちゃんは屈託のない笑顔を見せた。
「それがさ、そーいや、新入生歓迎会で流す入退場の曲をまだ決めてなかったなって思ってさ…。急遽実結に相談に来たんだ」
はぃ…?