恋文〜先生へ綴る想い
「そう、だね…」
しゅーた先生との苦い思い出を思い出してしまうからと、
私はしばらくラズの曲を聴いていなかった。
気を取り直してかめちゃんに言う。
「ごめんね…。私の好きなバンドは確かにこのラズベリー・サンデーなんだけど、最近はあんまり聴かないようにしてるんだ…」
「え…?なんで…?」
「なんでって…」
私は少し間を置いてから、再び口を開いた。
「まだ言ってなかったけど、ラズには悲しい思い出があって、それっきり私は彼らの曲を聴くのをやめてたの…」
「えー?マジでー?」
「うん…。だからこうしてラズを聴かされるのは、精神的にちょっとキツイかも…」
「なんだ…」
私の言葉に、かめちゃんが残念そうな顔をした。
「この曲をかけたら、実結が喜んでくれるんじゃないかって思ったのにさ…」