恋文〜先生へ綴る想い

年が明け、バレンタインデーの季節が近づいたとき。


私はしゅーた先生に、チョコレートとは別に何か特別なものを贈りたいと考えていた。



悩んだ末思いついたのが、“ラズのライブチケット”。


ラズのファンクラブに入っていた私は、ライブチケットが取りやすかったんだけど、


3月にラズが私の町に来るってことだったから、昨年のうちに2枚頼んでいたんだよね。



ホントはおねーちゃんか誰かと行こうと思ってたけど、しゅーた先生と一緒にラズを聴けたらなって思いがあったから、即予定変更。



バレンタインデーの日は、ラッキーなことにスペシャルESSがある日だった。


私は部室で、買ってきたチョコレートと一緒にラズのライブチケットを1枚渡した。



「先生、3月にラズのライブがあるんだ。チケット1枚あげるから、一緒に行かない?」



しゅーた先生は「そうなんだ」と言って、しばらくチケットに目を落としていたけど、少ししてから



「でも生徒と出かけるのはなあ…」と困ったような表情を見せた。


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