恋文〜先生へ綴る想い
「あー、すみません、このところちょっと具合が悪かったもんで…。一応母から担任に連絡入れてもらったんですけど、先生、聞いてませんでした…?」
とっさに弁解すると、
〈そんなこと言って、お前進級できなくてもいいのか?補習に出ないと、この赤点はどうにもできないぞ〉
なんて、敵は脅迫めいたことを言ってくる。
「あ…、留年はちょっと困るんですけど、こんなに暑いとやっぱ学校に行く気がしなくて、補習に行くことを思うと、どうしてもお腹が痛くなるっていうか…」
そう正直に言うと、またしゅーた先生が訊いてきた。
〈お前、留年するのと補習に来るのを天秤にかけてみろ。どっちがマシだ?〉
「…それは」
大学までは行かなくとも、一応高卒程度の学歴は持っておいた方がいいだろうと思ったので、
「…補習に行くことです」
そう言うしかなかった。
するとしゅーた先生は、
〈だろ?なら明日からちゃんと補習に来るように!〉
そう言って電話を切った。