恋文〜先生へ綴る想い

結局、私は翌日からしぶしぶ補習に行くことになった。



朝っぱらから指定された教室へ行くと、


同じように赤点を取ったと思われる同級生が数人いて、それぞれ好きな席に座っているようだった。



知ってる顔がいるかなと思ったけど、まともにしゃべれそうな人はひとりもいなかった。


やる気が更に衰える。




窓側の後ろの席に座ってため息をついていると、


このクソ暑いのにネクタイをしっかりしめたしゅーた先生がやって来て、


文法の問題がびっちり載ったプリントを3枚配られた。



「終わった人はマルつけするんで見せにくるように。採点後、間違ったところを直してもらうが、全問マルになった人から終わりにするんで、真面目にやるように」



しゅーた先生は教壇の前に座りながら日本語で言った。



ぶつくさ文句を言いながらも、シャーペンを動かし始めた赤点仲間。


いやいやプリントに目を落とした私。



横文字を見ただけで頭がくらくらしそうだったけど、なんとか課題に取りかかり、先生の指示どおり動いてみた。
< 16 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop