恋文〜先生へ綴る想い
「あっ…!」
私はとっさにスカートのポケットに携帯をしまおうとしたけど、
「こんなの補習に必要ないだろ?」
しゅーた先生はすかさず私から携帯電話を取り上げてしまった。
「これはプリントが全部終わるまで預かっとくから、さっさとそれを終わらせろ」
先生はそう言うと、再び教卓の前に座って、既に解き終えたプリントのマルつけを始めた。
私は軽く舌打ちすると、全てをあきらめ、ひたすら残りのプリントを解き続けた。
しゅーた先生は再び教室に居座り、私の課題が終わるのをずっと待っていた。
ふたりきりでいると先生に見つめられてるみたいで、なんだか少し意識してしまった。
でももうやるしかなくて。
午後の教室は暑さもピークに達していて、あわや熱中症になるかと思ったけど、
下敷きをうちわ代わりに扇ぎ続け頑張ったら、
夕方涼しくなる頃には、9枚あったプリントもなんとか全部終えることができた。