恋文〜先生へ綴る想い
「やればできるじゃないか」
私に携帯電話を返しながら、しゅーた先生が言った。
「やりたくないって逃げてると、何もできないまま終わるぞ…?明日からの補習も逃げないようにな」
「…はーい」
かばんに荷物をしまいつつ口をとんがらせていたら、
「なんだ、その返事は…?俺はお前のためを思って言ってやってるんだぞ…?」
しゅーた先生が不満そうに言った。
けど、ムカついていたのはこっちも同じだったので、私は先生に正直な気持ちをぶつけていた。
「だって、なんでこんなの勉強しなきゃいけないのかわかんないんだもん…」
「え…?」
「先生は英語の先生だから、私みたいに英語ができない人の気持ちなんてわかんないだろうけど…、私達は日本人なのに、なんでこんなに英語を勉強しなきゃいけないんですか…?」
「…なんだよ、いきなり」
しゅーた先生は不機嫌そうな顔をさらに醜くした。
「だって私、外国に行く予定もないし、英語を使う仕事にだって就くつもりもないのに、英語を勉強しなきゃいけない必然性を全然感じないんですけど」