恋文〜先生へ綴る想い
「でも先生…、私なんて夢も希望もないのに…、みんなにカスカス言われて、自分でもダメだなって思ってるような人間なのに…、そんな私でも、いずれ誰かの役に立てるって言うんですか…?」
そんなふうに訊くと、
しゅーた先生はかすかに微笑んだ。
「…ああ。春日だってきっと誰かの役に立てるはずだ」
先生はしっかりした口調で言った。
「どこかにお前の手を必要としてくれる人が必ずいるはずだ。だからあきらめずに頑張れ」
「…先生」
私はこのとき、しゅーた先生が笑うのを初めて見た。
いつもは怖い先生で通っているしゅーた先生が笑うなんて意外だったけど、
目を細めた先生の笑顔はとてもやさしくて、一瞬ドキッとした。