恋文〜先生へ綴る想い
ある日のこと。
補習が終わり、みんなが帰ったのを見計らうと、
私はいつものように、教室の窓を閉めていたしゅーた先生に声をかけた。
「ねえ、先生はどうして先生になったの?」
何度も言うけど、私には将来の夢とか希望とかいうものが全くない。
だからしゅーた先生はどういう理由で今の仕事に就いたのか、参考までに聞いてみたかった。
しゅーた先生は窓の施錠を終えると、教卓に座って私の話を聞いてくれた。
「なんだ?いきなり」
「ねえ、先生達って、ちゃんと“先生になりたい”って夢があって先生になったんでしょ…?私にはまだ将来の夢とか就きたい職業がないから、どうすればそういう夢とか希望が持てるのかなって思ったんだけど…」
私がそう言うと、
「そっか…。そうだなあ…」
先生はゆっくり腕組みをした。