恋文〜先生へ綴る想い
私が首を傾げると、先生は頭をかいた。
「毎年、教員採用試験を受けてるんだけど、恥ずかしながらまだ合格できてなくてさ…。正確に言うと、俺はまだ臨時教師の身分なんだ」
「え…、そう、なの…?」
「ああ…。産休代理は採用試験に受かるまでのつなぎってことで、俺もまだ夢に向かって頑張ってる途中」
「へー…」
よくわからないけど、しゅーた先生が自分のことを話してくれたのは嬉しかった。
いろいろ話してくれるってことは、私に心を開いてくれてるってことだろうと思うと、
急に先生との距離が近づいたように思えた。
「じゃあ早く先生の夢が叶うといいね」
私が笑うと、
「夢、か…」
先生は目を細めた。