恋文〜先生へ綴る想い
「悪かったな…。お前にこんなこと愚痴っても始まらないのに」
先生は教卓からプリントやペンケースを取ると、
「気をつけて帰れよ」
ゆっくり教室を後にした。
「先生…」
彼を追いかけ廊下に出ると、その背中には悲しみが漂っていた。
「先生、待って…!」
私は思わず叫ぶと、
数メートル先を歩いていた先生に駆け寄り、彼の腕をつかんでいた。
「先生、ちょっと一緒に来てください…!」
「え…?」
私の言葉に先生が足を止めた。
「靴を履き替えて、職員玄関前でちょっと待っててください…!」
私はそれだけ言うと、先生の返事も聞かずに生徒玄関へと走った。