恋文〜先生へ綴る想い
当時しゅーた先生は、無気力な私にひとすじの希望を与えてくれた、
言わば恩人に近い存在だった。
先生が私に光をくれたように、私もなんとか先生を励ましてあげたかったんだ。
靴を履き替えた私は、急いで職員玄関前に移動。
しゅーた先生もちゃんと私を待っていてくれた。
「先生、こっちです…!」
私が裏庭の方へ手招きすると、
「おい、一体どこへ行くって言うんだ…?俺、昼休みは1時25分までだから、それまでには戻って来なきゃいけないぞ…?」
しゅーた先生はそう言いながらも、私の後をついて来てくれた。
「大丈夫、そんなに時間は取らせませんから…!」
私達は裏庭から続く小道を通って、校外へ出た。
途中何人か同じ学校の生徒達とすれ違ったけど、
しゅーた先生を励ましたい気持ちでいっぱいだった私には、人目を気にする余裕なんて全然なかった。