恋文〜先生へ綴る想い
私は欄干にもたれると、その向こうを向いた。
「この…、川から吹いてくる風がすごく気持ちいいと思いません…?それにこの川の色…。エメラルドグリーンって言うんですかね…、緑色って心を癒してくれるって言うけど、ホントにそんな気がしませんか…?」
「そう、だな…」
しゅーた先生も私の隣にやって来て、欄干の向こうの川面を眺め始めた。
「それでお前、俺をここへ連れて来てくれたのか」
「…はい」
私の気持ちを理解してくれたのか、しゅーた先生は私と一緒にしばらく川面を見ていてくれた。
「天竺、か…。立派になれるかどうかはわからないけど、確かにここは気持ちが穏やかになれそうな場所だな」
「でしょ…?」
「ああ。何だか心が洗われていくような感じ…?」
しゅーた先生はため息をつくと、つぶやくようにぼそっと言った。
「お前が言うとおり、俺もホント立派な教師になれるれるといいけど…」
私はすかさず突っ込んだ。
「そんなの、しゅーた先生ならなれるに決まってるじゃないですか…!だって、先生はホントにいい人だもん」
私に新たな気持ちをくれた、ホントにホントに素敵な人…。
絶対立派な先生になれるはず。