恋文〜先生へ綴る想い
■第2章
[過去4]接点
夏休みも終わりにさしかかった頃。
私はESSの新入部員として、来月の文化祭で上演する英語劇のために、ひたすら苦労していた。
実は私、中学時代も部活というものに入った経験がなく、これが学生時代初めて携わる部活動だったんだけど、
部活がこんなにハードなものとは、正直思ってもみなかった。
英語ができない私が英語を使わなきゃいけないんだから苦しくて当たり前だけど、
それ以前に部活動には先輩後輩の上下関係があって、それが煩わしさを助長していた。
部活って普通、3年の夏頃引退するイメージがあるけど、
ESSは文化部のせいか、未だに居座り続ける3年生が何人かいて、
その中でも1番怖かったのが、
しおり先輩という、卒業後は英語を専門に勉強したいと公言している先輩だった。