恋文〜先生へ綴る想い
固まる私に、しおり先輩はニコニコしながら台本と楽譜を差し出した。
「ここにチェック入れてあるセリフだけど、他の人から回してもらってあなたのセリフにしたから、ちゃんと暗記しといてね」
えっ…?
「もちろんみんなと一緒に歌も歌ってもらうから、歌詞の暗記もよろしく」
ええっ…?!
「口パクでもいいけど“ドレミの歌”ではソロパートがあるから、そこだけはちゃんと歌ってね」
そんなぁぁ…。
「じゃ、明日からあなたにも稽古に加わってもらうから」
そう言って背を向けた先輩の後ろで、
私は台本と楽譜を握ったまま、途方に暮れてしまった。
どうしよ…。
明日から練習に加われだなんて…。