恋文〜先生へ綴る想い
[過去5]悲劇のヒロイン
翌日。
私は部活が始まる時間より少し早く学校へ行くと、職員室へ行ってしゅーた先生を廊下に呼び出した。
「先生、CD持ってきたよ」
ラズベリー・サンデーのCDが入った紙袋を先生の前に差し出すと、
「おー」
先生は悪いなとそれを受け取って、廊下にあった自分のロッカーのカギを開け、CDをそこへ仕舞い込んだ。
「ちゃんと全部聴いてくださいよー!」
私が念を押すと、先生ははいはいとだけ言って、何事もなかったかのように再び職員室へ入って行った。
パタンと閉められた職員室のドアに、ちょっとだけさみしさを感じた。
部活が始まればまた先生に会えるのに、
部活が始まらなきゃ先生と一緒にいられないのかと思うと、
心に隙間風が吹いてるみたいだった。
…恋ってツライもんなんだなあ。
なんとか気を取り直すと、私は部室へと急いだ。