恋文〜先生へ綴る想い
私のクラスで英語を担当していた先生がテストの翌日から産休に入ることになり、
しゅーた先生はその先生の代理でやって来た、いわゆる「講師」の先生だった。
彼の名字は「渡辺」というごくありふれたもので、
あいにくうちの学校には「渡辺先生」が他にもいたため、
彼はみんなから「しゅーた先生」と下の名前で呼ばれることになった。
普通若い先生って言うと、なんとなく親しみを覚える感じがあるけど、
しゅーた先生は全然そんな感じの人じゃなかった。
堅っ苦しい服装のせいか、見た目結構オジサンの上、
普段からあまり笑わないので、とっつきにくいところがあった。
真面目なのか頭も固くて、怒るといちいちしつこかった。
面白い話や余計な話で授業を中断させるようなこともなかったから、
先生の株はそんなに高くなかったと思う。