恋文〜先生へ綴る想い
はぁ…。
ひとりになった部室で私は大きくため息をついた。
なんだか一歩も動く気がしなくて、ぼーっと突っ立ったまま窓の外を眺めていた。
すると背後でドアが開く音がして、急にしゅーた先生の声がした。
「なんだ。まだここにいたのか」
「え…っ」
慌てて振り返ると、しゅーた先生がこちらへ近づいて来た。
「お前、さっきの発表はどうしたんだ?せっかくちゃんとできてたのに、あんなふうにとちるなんて」
「それは…」
先生のせいです。
先生に彼女がいたから…。
なんて言うことはできず、私はそれ以上口を開くことができなかった。
こちらが黙っていると、先生は「なんだよ?」と私の顔を覗き込んでくる。
「何かあったのか?」
「……」
何も知らない先生に私は何も言うことができなくて、
すぐ側にいるのに実は遠くにいる先生の存在に、思わず涙を流していた。