恋文〜先生へ綴る想い

私はドキドキしながら、本心を切り出した。



「それがおねーちゃん、いきなり先生には素敵な彼女がいるよ…なんて言うんで、私つい動揺しちゃったんです…」


「え…?」



先生は私の言葉に顔を強張らせ、眉間に皺を寄せた。



「あの…、実は私、勝手に先生にあこがれてて、先生に恋人がいるなんて思ってもみなかったから、そういうことを知らされるとやっぱり少しショックで、そしたら頭がまわらなくなって、あの日はもう演技どころじゃなかったんです…」



心臓がドキドキ言うのを感じながら、私はバカ正直に全てを話していた。



“あこがれてる”って言葉をしゅーた先生がどのように捉えたかはわからないけど、


私の話を聞いた先生は顔をくしゃっとさせて「…何だ、そんなことで集中力を欠いたのか」と言った。



「恋人、ねえ…。確かにそういう人がいないと言えば嘘になるけど、最近は雲行きが怪しいから、本当に恋人って言っていいのか微妙なところだ…」



え…?
< 83 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop