恋文〜先生へ綴る想い
「…お願い?」
「自分から何でも言ってと言っといて、やけに注文の多い生徒だな」とぼやきつつも、先生は「願いって何だ?」と訊いてきた。
私が先生に頼んだのは、
「先生、私と交換日記とかしてくれませんか?」
そんな話だった。
「交換日記?」
先生が「何だそれ?」と言わんばかりに首を傾げると、
私は「交換日記って言っても、ただの交換日記じゃないですよ」と言葉を付け加えた。
「言ってみれば、添削日記みたいなもんです」
「添削日記?」
「そうです。私はノートに英語で文を書いてくるので、先生は私の英文の間違ってるところを添削しつつ、私に返事を書くんです」
「…は?」
「返事ももちろん英語でですよー」
笑う私に、
「それはいいけど、どうしてまたそんなことを…?」
先生は不思議そうに訊いてきた。