恋文〜先生へ綴る想い

ちょっと悩んでいたら、次の日のLHRで、担任から将来自分が就きたい職業について作文を書くよう言われた。



やる気があるんだかないんだかよくわからなそうな中年オヤジの担任は、



「みんなには来年度理系クラスに進むか文系クラスに進むか考えてもらってるけど、それは将来なりたい職業によって違ってくるはずだ。まずは自分が何をしたいか、何になりたいかをよく考えて、ここに書いてくれ」



そんなことをブツブツつぶやきながら、みんなに原稿用紙を1枚ずつ配った。



「この時間中に終わらなかった者は宿題だからな」



そう言うと、一部男子のブーイングを無視して、先生は教卓に座って何かの本を読み始めた。




ざわつき始める教室の中、私はまた頭を悩ませた。



…正直、私は作文とか読書感想文とかいう類のものがあまり得意ではない。



スピーチコンテストの原稿書きだってまだできてないのに、


いきなり将来就きたい仕事について書けと言われてもなあ…。
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