小悪魔男子





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―薫―







「えぇ~!?振られちゃったのぉ~?」





現在夕方6時ちょっと過ぎ。



あたしの家には和樹が来ていた。



話があるからと、強引に近い形でうちに押し掛けてきた和樹は、口を開いたかと思うと「さなに振られた」と、悩みを打ち明けてきた。


一応さっきみたいな知らなかったというニュアンスでリアクションしたあたしだけど、そんなこととっくに分かってた。



っていうか、あたしぜ~んぶ分っちゃってたんだもの。


和樹がだれを好きなのか、さなが和樹をどう思ってるのか。



オカマをなめてくれちゃ困るわ。





「そう…。だから落ち込んでるのね…」



…次になんて言おう?



慰めるのは苦手よ…。




「違うんだ。振られたのは別にそんなにショックじゃないんだ。

もちろん落ち込んではいるけど…それだけじゃなくて、あいつが一度も俺の顔すら見てくれなかったって事が原因なんだよ…」



「そりゃ…、さなは一度も誰かを振った経験なんてないんでしょう?


だったら意識するのは当然よ」



「だけど…」







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