小悪魔男子
和樹は納得したように うんうん と頷きながら続ける。
「ごめんなー?なんか、冗談だって気づかなくてボーっとしちゃったよ。
せっかくのボケに突っ込めなくて悪かったな。『違うだろ!』か?いや、『なんでやねん!!』か!」
わなわなと怒りがこみ上げてくる。
なんであたしはこんなに冗談と本気の区別もつかない超天然男の事好きになったのかしら?
しかも面白くもなんともない突っ込みの仕方…
尚も突っ込み練習をつづけている和樹に耐えられなくなったあたしは怒りを爆発させた。
「出てけ~~~~~ッッ!!!!」
「わっ!何だよ!」
背中を押してドアから強制的に出した。
「もうあんたのくだらない悩みなんか聞いてあげないんだから!!帰りなさい!!」
「何怒ってんの?あ、突っ込みの仕方が違ったんなら違うの考えるからさ~!」
ドアの向こうでまだバカなことを言っている和樹に、残っていたバックを投げつけてやる。
「ぶっ!」
バタン。
和樹は、なんだよ とか言いながら帰って行った。
あたしは 小さな、一人用のソファーにどかっと座って、そばに置いていたウサギのぬいぐるみを抱きしめる。