小悪魔男子
「それでぇ、大和クンはいつくるの~?」
薫ちゃんは張り切っていつも以上にオシャレをしていた。
「今電話するから…」
彼の唇に薄く塗られたピンクのグロスには
気付かなかった事にしよう。
「あれ、お前…
朝から天ぷら食ってきた?」
バッチ~ン!!
「バカッ!!あたしのガラスのハートが砕け散ったじゃないっ」
「いってぇな!!ガラスはガラスでもお前のは防弾ガラスだろ!?」
キィ~~ッ!!!!!
…いつもの事ながら、うるさい。
あたしは構わず電話をかける。
"…もしもし?"
「あ、大和。寝てた?」
"ん…。何かしたの?"
「あのね、今友達が来てるんだけど…どうしても大和に会いたいんだって。
あたしが大和の話ししたら興味持っちゃって…」
"あは。僕の話ししてくれたんだ。
良いよ、今行くから!
…でも、友達って男?"
「男も居るけど…美人の女の子も居るよ」
"…すぐ行く"
ブツッ…
切れた。
それにしても、美人の女の子が居るって聞いてすぐ来るだなんて
やっぱり男の子なんだね…。
そう考えるとちょっと可笑しくなった。