小悪魔男子
ナイフ
昼過ぎに家に帰ってきたあたしは、夕方になるまで待ち
大和が帰って来たのを見計らって隣の家へとお邪魔した。
彼はいきなり現れたあたしにびっくりしていたと思う。
そして、真希と先生の事を大和に報告した。真希からは言っていいと了解を得ている。
「そっかー…。真希さんがね…。辛かっただろうね。
僕だってさなちゃんが居なかったら悩みを一人で抱え込んでたよ。同級生になんて頼れるわけないし(笑)」
そりゃ、小5に家庭の重い話を聞いてもらってもたぶんよくわかってくれないだろう…。
あ、大和は別だけど。なんかこの子とても小学生には見えない考え方するんだもん。
「不倫はいけないけど…やっぱり好きになったら年齢も立場も関係ないもんね」
真希の事を思ってそう呟く。
「…さなちゃんもそう思う…?」
「うん…」
彼女のつらい気持ちを思って切実な思いを理解しただけなのに
大和は話を別な方向に持って行った。
(この時彼の目が光ったのには気づいていなかった…。)
「…そうだよね~。好きな気持ちに罪はないもんね?
たとえそれが小学生と高校生でも」
「………っは?何の話?」