小悪魔男子


恐る恐る、彼の頬を包むように触れた。


「目…閉じてよ…」



大和はあたしの行動を見て楽しんでいる。


「やだ…。見ていたいんだ、ずっと」


「……////」


こんなに近くで目が合ってしまった。

只でさえ恥ずかしさでおかしくなりそうなのに…。


耐えきれずに彼の口元に目を落とす。



薄く色付いているその唇を見ていると頭がボーっとしてきて……



気付いたらそっと唇を合わせていた。




それは一瞬の事だったけれど

彼に触れた部分からドキドキが広がっていったんだ。



「よく…出来ました」


優しく髪を撫でられる。


「恥ずかしくて死にそう…」


「ハハッ…意地悪してごめんね?

けど、これで分かった。…さなが俺を好きだって事…」


「ンなっ…!そんなんじゃ…」


否定しそうになってハッと気付く。

…ダメ。ここで逃げたら何も変わらない。


せっかくのチャンスなのに


言わなきゃ絶対に後悔する。



意を決したあたしは口を開いた。


「あのね…

あたし本当は――――――………」







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