小悪魔男子
♪~♪♪~♪~
突然あたしのケータイが鳴り響いた。
「…いいよ、出て。話しはまた後でも聞ける」
優しい言葉をかけられて、言われた通りにした。
画面には "真希"の文字が出ている。
「もしもし…?真希?」
「さなっ!…助けて…」
彼女の声は震えていた。
「どうしたの!?」
「今部屋にいるんだけど…家の前に先生の奥さんが居るの。
それで…様子が普通じゃなくて。
とにかく来てくれないかな…?先生に電話してもつながらないし、話し合うにも1人じゃ怖くて。
お願い…」
「分かった。
あたしが行くまで部屋から出ない方がいいよ」
そう告げて電話を切る。
「あたし、行かなきゃ」
「真希さん、どうかしたの?」
「マズいの。先生の奥さんが真希の家に来てるの。様子がおかしいって…」
「…僕も行く。一人じゃ危ないから」
着いてきてくれると言った大和の好意に甘え、二人で家を出た。