小悪魔男子
「大和今来るって」
「いや~ん☆本当?ちょっとグロス塗りなおさなくっちゃ!おトイレ貸してねっ」
そそくさとトイレに駆け込む薫ちゃん。
「よくやるよな…。あ、悪い。コーヒーもらえるか?出来ればホットで…」
和樹が遠慮がちに頼んできた。
「うちインスタントしかないけど、いい?」
「あぁ」
ケトルに水を入れて火にかける。カップにコーヒーの粉を入れて準備をすると、お湯が丁度良く湧いてくれた。
火を止めてケトルからカップにお湯を注ぎ入れた、その時。
ピンポーン
「あ」
”大和だ”
そう思ったあたしは、お湯を注いでいることを忘れて振り向いてしまった。
「きゃ…ッ!!」
熱いッ!!!!!
「おいっ!!」
駆け寄ってくる和樹。
お湯は、あたしの太ももにかかってしまっていた。