小悪魔男子
「すみません。救急車を一台お願いします。
…はい。あと、警察も…」
頼んだ救急車と警察が来るまでにそう時間はかからなかった。
「至急〇〇病院へ!出血が多すぎる。
君たち、どっちか一緒に乗って!」
「私が行きます」
何もできやしないけど
そばに付いていたかった。
大きなサイレンの音を鳴らして救急車は走る。
「お願い…助かってよ…。
あたしまだ好きって言ってないよ…」
病院に着くまでの間ずっと
彼の手を握りしめていた。