小悪魔男子
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大和がICUに入ってから2時間が経過した。
その間に、お母さんに事情を話して大和のご両親に連絡を取ってもらった。
3人はすぐに病院に来てくれたんだ。
「さな!」
「お母さん…」
「さなちゃん!…大和は!?大丈夫なの!?」
大和のお母さんだ。
「あ…あの…胸に…ナイフが突き刺さって
いっぱい血が出て…ッ…だんだん体が…冷たく…」
「もういいわ…。…ごめんなさい、酷な事聞いて…」
泣いてしまったあたしを優しく抱きしめてくれた。
そのせいでますます涙が溢れてくる。
「ご…め…なさ…ッ…!!!あた、しが…大和に付いてきてもらわなかったらこんなこと…!!」
ぎゅ…
抱きしめる力が強くなる。
「…きっと、ね?大和はさなちゃんを守るために行ったんだと思うわ…。何かやな予感がしたんでしょうね…
だから、さなちゃんが謝る必要なんてないわ。
むしろ、彼を誇りに思う…。
悩んでたって何も変わらないのよ?
…大丈夫、彼は助かる。必ず…!!!」
「ッ……うぅ~……!!」
泣きながら思う。
素敵なお母さんになったんだね…。
こんなに自分の息子を分かってあげて、こんなに素敵な考え方のできる母親に。
大和。死んじゃダメ。
変わる事ができたお母さんをしっかり見てあげなきゃ…
ねぇ、聞こえる?
大和-----………