小悪魔男子
「そんな事があったのね…」
学校についてすぐに、薫ちゃんと和樹には全てを話した。真希は登校していない。
「あいつは大丈夫なんだろ?」
きっと大和の事を言ってるんだろうな。
「うん。ICUに入ったけど、そんなこと考えさせない位元気みたい。午後からは面会も大丈夫なんだって」
「ふーん。それは残念だ。あの馬鹿は死ななきゃ治らない」
…素直じゃないな。顔がホッとしてるよ?
「バカなこと言ってるんじゃないわよ…。
ねぇ、さな?今日お見舞いに行くんでしょ?あたし達も行っちゃダメかしら…」
「はぁ?何で俺が見舞いなんか…グフッ!」
「行くのは当たり前でしょッ!いい加減にしないと殴るわよ!!」
殴った後で言っても遅いよ、薫ちゃん。
「い…いいと思うよ?大和もみんなに会いたいと思うから」
男の部分が垣間見えた薫ちゃんに引き気味で答えた。
「じゃぁ、放課後お花でも買って行きましょうか♪
…それにしても、神楽先生の奥さん…。どうしてあんなことしたのかしらね。一度の浮気で刃物を持ち出すほどの何かがあったって言うの…?」
あたし達は、真希の机を見て
あまりの事の大きさに胸が痛んだ。