小悪魔男子
「飾って来たんだけど、これで…
…これはどういう事?」
きれいな花を抱えて大和のお母さんが部屋に入ってきた。
「申し訳ありません…。息子さんを傷つけたのは、私の妻です」
先生はドアに立ち尽くすお母さんの方を見て、また深く土下座した。
真希もそれにならう。
「この度は、本当に大変な事を…。いくら謝っても償いきれません…!!」
「神楽先生…」
先生は泣いていた。
「先…生?あなた、先生なの?」
「はい。ここに居る生徒たちの担任です…」
「そう…。
神楽先生。顔を上げてください。隣のあなたも…」
「しかし…!」
「…さっきあなたは”いくら謝っても償いきれない”と言ったでしょ?
確かにその通りかもしれないけど
私は謝って欲しいんじゃないの。真実が知りたいのよ。
謝罪が必要だと思うなら まずは事情を話してくれないかしら。
どうしてこんな事になったのか
…どうして彼女が一緒に謝っているのか。
話はそれからだわ。
私は何も知らない」
大和のお母さんは冷静にそう言った。
そして二人を椅子に座らせ、自分は大和のいるベッドに腰掛ける。
そのタイミングで神楽先生は話し始めた。