小悪魔男子
「…はい」
大和のお母さんも色んな葛藤があって、浮気をしてしまった。
先生と境遇は似てる。
けれど、きちんと正しい道に戻る事が出来た。それは自分のやってしまった事の重大さに気付いたからだよね。
真希とはまた別の境遇だけど
誰かを傷つけたって事は同じ。
それにきちんと向き合って、早く立ち直ってくれるといいな…。
…ううん。頭のいい真希なら絶対に大丈夫だよね?
大和のお母さんはまた、先生に向かい直した。
「浮気と本気の境目に気づいているんですか?
女の子に気をつかわせてどうするんです。
私も人の事に口出しできる立場ではありませんが
彼女もあなたも、本気で付き合っていたんでしょう?
だから
悲しいんですよね…?」
「…はい…。
本気で好きでした。でも…
僕にはそう言う勇気がなかった。
家庭を捨てるのが怖かったんです。そんな事をすれば、妻はどんな事をするか分からなかった…。
…けれど、別れることになってよかったのかもしれません。
真希にはこれからいろんな男性との出会いがあるでしょう。
そうなったときに、私という存在で彼女を縛りたくなかった。いろんな可能性を潰してしまうかもしれないと悩んでいたんです」