小悪魔男子
「待っていてくれとは言えない。
本当は好きで好きでたまらないのに 彼女を僕だけのものにしてしまいたいのに。
けれど
それが彼女を苦しませることになるなら、このままでいいんです」
先生…
先生も本気で愛していたなんて。
こんなの悲しすぎるよ…
誰も望みどおりにいかない。
みんな幸せになる方法なんてどこにもない。
そんなの解ってるけど、知りたくなかった。
「先生がそう決めたのなら、もう何も聞きません。
自分の選択に後悔しないようにしてくださいね」
「はい。
こんな話まで聞いて下さりありがとうございました…。
…みんな、もう会わないかもしれないけど
元気でな」
先生はそう言うと立ち上がり、深く深く 礼をした。
静かに閉まるドアを見つめながら
あたし達は 泣いた。