小悪魔男子
クール王子と小悪魔くん
*******
「ごめんね…心配かけちゃって」
着替え終わったあたしは開口一番で謝る。
「大丈夫?さなちゃん…」
普段通りの大和が、心配そうに見つめてくる。
「うん、もう痛みはなくなったしね」
「もぉ、本当に気をつけなさいよ?」
「でも、良かったよ…。あ、ケーキも買ってきたの。
座って食べない?」
真希がホッとした顔でそう言った。
少し大きめの白い箱には、ショートケーキとチョコレートケーキが2つずつ、そしてチーズケーキが1つだけ入っていた。
「大和クンはどれがいい?」
本当の姉のように優しく尋ねる真希。
「僕、最後で大丈夫ですよ?何でも食べれますから!」
わ、可愛い…。
セクハラさえなければ、素直な良い子なんだよね…
「あら、偉いわね~!あたしなんて生クリーム使ってるのは食べらんないのよ…。
だから悪いけど、チーズケーキは頂くわね」
薫ちゃんは申し訳なさそうに皿に取る。
「気にしないで下さい!僕、本当に何でも好きなんですから…。
招待されて偉そうに言うのもナンですけど、
皆さんもお好きな物をお先にどうぞ」
そんな謙遜、どこで覚えて来るんだよ…。