小悪魔男子
堕天使の涙 3 ーホントの心ー
ー大和ー
そう言うしかなかった。
自分の無力さに嫌気がさす。
僕がもっと大人なら
大事な人を傷つける事も無かっただろうし
手放す事も無かっただろう。
間違いかもしれない
けど
今の僕には別れる事しか選択肢がなかったんだ…
それで命を救えるのなら
自分が傷ついたって良いんだよ…
話は
2年前の12月に遡る。
――――――――――………
「大和~♪久しぶり★」
「……誰?」
玄関の扉を開けると、母親と、若そうだがふくよかな女性が立っていた。
"久しぶり"と言ったのはその女性だった。
「え~!?いとこの顔も忘れちゃったワケ?
華耶よ!か~やッ!!」
「え゛?華耶ねぇちゃん?」
1年前に会った時に比べて、20キロは太ったと思われるその顔と体をよ~く見ると
微かにその面影が残っていた。
「どうしちゃったの??」
リビングに通した後、母親は仕事が残っているからと家を出て行き
2人だけが残された。
それを見計らって尋ねたのだ。
「…んとに失礼ね~!」