小悪魔男子
さわさわと背中をさすってみる。
僕には華耶が何で泣いたのか、よく分からなかった。
しばらく経った時、肩を震わせながら彼女が語り出した。
「ごめん…。
私、過食症なの…」
「カショクショウ…?
…それって、病気なの?」
「うん…。心のビョーキ。
私いっぱい食べてたでしょ?でも、その後必ず吐いていたのに気付いてた?」
コクリと頷いてみせる。
「そう…。
その、前の彼氏にね
別れる時『太ったお前にはいい加減愛想が尽きた』って言われちゃったの。
…確かに付き合った頃よりも大分体重が増えちゃったけど…
それでも愛されてると思ってたのに。
他に女が出来るとあっさりと捨てられた。
それからよ。
いつもの様に食べたくて
でも太るから食べたくなくて。
なら、食べても吐いちゃえば?って考え付いて すぐ実行してた。
みるみるうちに体重が減って
凄く嬉しかったの!!
こんな方法があったならもっと早くにしていれば良かった、なんて喜んでね。
だけど…先週、ついに倒れちゃって。
体に吸収されるのは殆ど水だけで栄養分が不足してたみたい。
その時になってようやく自分が病気なんだって、気付いたんだ」